サルミアッキ
サルミアッキとは、猿梨を砂糖に混ぜ込んで作った飴に似せて作られた菓子である。
概要編集
元の名はサルミ(猿実)という一般的な固飴であり、潰した猿梨を混ぜ込んで作られる。味はデザートキウイとも呼ばれる猿梨の特徴を引き継いでおり、とてもフルーティで甘い。元は原産地である長野県発祥だが現在では主に北欧地域でサルミアッキとして食されている。
歴史編集
猿梨は長野県の北部では古くから親しまれており、その甘さや生食に適する事から山野の熊や猿なども愛好した事で知られている。元々愛好されていた猿梨であったが、地元の商人が「猿梨をマタタビ代わりの菓子にしてはどうか」と考え、数々の試作の末に完成したの猿梨味の飴玉である。元は和菓子などに利用しようと考えていたが、猿梨の甘さが餡などに勝ってしまいどうにも上手くいかなかった。しかし幸運にも、商人が苦戦している事を知った地元で飴細工を生業とする職人に「数々の味が適応する飴玉ならばどうか」との助言を受ける事ができ、猿梨味の飴として日の目を見たのであった。その際に商人が名づけた名称は猿実であり、サルミアッキという名称ではなかった。
16世紀、日本に金平糖などの南蛮菓子が伝来した時期に他の土地と同様長野県にもポルトガルを始めとする外国人がやってきており、その中には北欧人の姿もあった。ある日、猿実を作っていた職人の下に北欧人が姿を現した。北欧人は現地から持ってきたリコリス菓子を職人に見せ、職人に食べさせたところ酷く渋い顔をしたという。リコリス菓子の事を何かの嫌がらせだと考えた職人は、リコリス菓子の材料を聞き出して普段ならば猿梨を加えるところをリコリス菓子と同じくスペインカンゾウを加え、追加で塩化アンモニウムを入れて飴にし、猿実だと偽って持ち帰らせた。一粒味見した時点でとても不味い事を知っていた職人は猿実を鼻の高い悪い鬼、すなわち悪鬼用に改良したものとして猿実悪鬼(サルミアッキ)と名付け、猿実と偽って食べさせる一種のジョーク菓子として販売した。これが北欧に伝わるサルミアッキである。
騙されて持ち帰った北欧人はサルミアッキを現地に伝えたところ「良い味のするリコリス菓子だ」と広まり、また日本の名称も伝わったことから「サルミアッキ」として爆発的に広まった。
関連項目編集
- シュールストレミング 良い香りがするとされる魚の缶詰。
- アルミサッシ 似ているけど食べると不味い。
- 彼岸花 リコリスの一種。