卵
卵(たまご)とは、戦後の食糧難のなか生まれた加工食品。また、動物から出てくるものも卵である。
なお本項目においては加工食品としての卵と動物から出てくる卵両方について説明する。
歴史[編集]
最初に卵というものにありついたのは、原始的な哺乳類だった。 ヤシという主に海岸に生える木に登り果実をかじり、その穴から中身を吸い出していたようである。
我らが祖先の原始人たちは、木に登る能力こそ落ちたものの、同時に、道具を使用することを覚え、投石機のようなもので石を飛ばし、落ちた卵をキャッチ、穴をあけて植物の茎で中身を吸った。この食べ方は、人類の歴史が何万年経とうと変わっていない。
ヤシだけでなく、鶏やその他の鳥も卵を出すことを知ったのは、縄文人たちであった。 しかも簡単に取ることができ、栄養も豊富だったので、すぐに大人気となり、当然争奪戦が起きた。これは、日本における最初の争いだったとみられる。
そして、争奪戦の勝者たちには卵が集まり、卵を食した人たちは普通の木の実ばかり食べていた縄文人よりも強く、次第に強力な集落(のちの国家とも言えよう)を作り始め、大陸からの文化を導入して、栄えていった。
それは、米が日本に入ってくる100年ほど前のことであった。 しかし、そんな「卵国家」も終わりを迎える。大陸から導入されたコメを食べ、大陸から輸入した鉄の武器をもった人々が結束、卵国家を襲ったのである。 もちろん卵軍も応戦したものの、ご飯の方が栄養があって体力がつくらしく、敗れて「卵国家」は新しい「お米国家」に吸収された。
加工食品として[編集]
そのようないきさつもあってか、年貢は卵ではなく米であったり、武士の給料も扶持卵ではなく扶持米であるように、日本で卵は歴史の表舞台から姿を消す。 それでも戦前まではいた鶏農家が、第二次世界大戦のせいで一気に減少し、日本における卵文化の消滅を恐れた有志の者たちが集まり研究、その結果卵を加工食品として販売することにした。
戦後の物資難であったために、鶏農家の悩みのタネであった「廃鶏」を使用することに決定した製造方法は創始者が特許を取得し、今まで企業秘密とされていたが、最近特許期間が切れたために公表された。主に次のような内容である。
- 廃鶏の内臓と脂肪分の少ない部位の肉をとり、残りはコンポストへ。
- 内臓をパテにし、ベニバナ色素を混ぜる。
- 脂肪分の少ない部位、(主にささみ)をミキシングした後、遠心分離機によって蛋白質を抽出する。
- 抽出された蛋白質を筒状の型に入れ、そこに丸めた内臓パテを落とし、熱湯で10分間茹でる。
- 筒状のそれを20センチ間隔で切り、生理食塩水の入ったパックに入れて店頭へ出荷。
これは何よりも安いことで戦後の飢えた家庭に非常に好評になり、戦後20年間ほどはお弁当のおかずといえばこの卵であったが、鶏農家の増加や、貧困層の減少などによって需要が減少、次第に姿を消した。
ちなみに、板東英二が卵のうまさを知ったのはこの卵であり、現在ゆでたまご好きで有名なのは、この卵の味にゆでたまごが近いからだとのこと。
動物の卵[編集]
加工食品としての卵が姿を消して2000年ぶりに歴史の表舞台に姿を現した「鶏の産んだ卵」は、今も昔も変わらぬストローで穴をあけて中をちうちうと吸うという食事方法が一般的にとられている。 また、遠心分離機に30分かけるとプリンになるスグレ物であるが、一般家庭にはプリンを作るためだけに遠心分離機を購入する金が無い。よって、親戚の子供の誕生日祝いなどに高価な遠心分離機を送るのである。
アメリカでは、食後の殻を取っておく習慣があり(そんなこと気にせず殻ごと食べる輩もいる)キリスト教の復活祭では、殻をペンキで色とりどりに塗り、「イースターエッグ」と称して戸口に飾っておく習慣がある。これは、その年に家に鬼が来ないようにする魔よけの意味があるらしい。
そのほかの卵としては
- ウズラの卵
- 中華丼にのっかっていると非常にうれしいが、大概は店側がケチって1個ぐらいしか入れてくれない。
- カエルの卵
- カエルの卵はタピオカと呼ばれ、スイーツや飲料の中に入っていることがある。プチプチした食感が身上、ストローなどで吸った場合、ストローに詰まるのが欠点。
- 鮭の卵
- 鮭の卵はイクラと呼ばれ、本体よりはるかに珍重されるものである。近年は食品サンプルの方が本物よりも本物らしいともっぱらの噂である。
- ちなみに、「イクラ」はロシア語で単に「魚卵」を示すものだが、そんなこと日本では誰も気にしない。
- ニシンの卵
- カレーライスの付け合わせには福神漬とラッキョウ、そして数の子は欠かせぬものである。某占い師との関係は不明。
- スケソウダラの卵
- 日本近海では、冬になると鱈漁が最盛期を迎える。しかし、お目当ては身ではなくたらこである。また、博多近海で取れる鱈の腹からは明太子が出てくる。
- アンリ
ヨーロッパでは形の良い禿げ頭は卵に分類される。
さらに、卵という言葉はさまざまなニュアンスを込めて使用され、「卵のような心」というように、脆い物という意味もあれば、「学者の卵」などの言い方(これは相手に向かって青二才という侮蔑の意味で使う)、またごくまれに「金の卵」と呼ばれる人材もいる。とにかく、卵は言語とも関わりが深い。
エクストリームスポーツとしての使用法[編集]
卵は、薄皮を残していかにきれいにむくかが重要で、エクストリームスポーツにもなっている。右の写真のような剥き方を続けて、完成するとクリアとなる。しかし、これまでクリアできた人は少ない。