ネックレス
ネックレス(Neck less、首なし)とは、幽霊達の間で流行しているファッションの一つである。
概要[編集]
このファッションは、生きている動物には出来ない、幽霊だからこそできるファッションである。普通の動物は、首を刎ね飛ばされると死んでしまう。しかし、もう死んでいる幽霊達には死という概念がないので、首がなくても生きてゆくことができるのである。その幽霊ゆえの特性から生まれたのがネックレス(首なし)というファッションスタイルだ。
一般的な幽霊と言えば、骸骨やゾンビなどである。骸骨は顔が白骨化しており、ゾンビの顔は腐敗していて、いずれも汚らしく、気味が悪い。所謂、ブサイクである。しかし、死してなお美を追及したい幽霊達は、美を損なう原因となっている自分の首を切断してしまう。これがネックレスというスタイルである。
身長が高く体躯がスリムであっても、顔がブサイクというだけで美しさが損なわれてしまった幽霊達は、ネックレスによって自分の汚い部分を大幅にそぎ落とすことに成功した。代償として、彼らは視覚、聴覚、嗅覚、それと腐った脳味噌を失ったが、ゾンビに脳味噌なんてあってもなくても良い上に、腐って機能不全に陥った脳味噌など役立たずも甚だしいので、さしてデメリットではない。目、耳、口についても、別に幽霊に不可欠なものではない。彼らは霊感という五感よりも遥かに優れたものによって周囲のものを感知することができるからだ。もし、また顔が欲しくなったら、アンパンマンのように新しい顔を継ぎ足せばよい。アンデッドだからこそできるファッションと言える。
ネックレスは女性の幽霊に高い人気を誇っている。それだけ、男性より女性の方が、自分の顔に高い理想を抱き、それゆえにコンプレックスを持ちやすいからである。しかし、特に貧乳の女性などがこのネックレスを行うと、股間を確認するまで男か女か判別がつかない。ネックレスは、他者に対して性別を判別させづらくなるという弊害がある。そのため、男の同性愛者から間違われて襲撃される危険性がある。また、ネックレスをした女性の幽霊が女性の同性愛者だった場合、同じ女性の同性愛者から男と勘違いされて嫌われてしまう可能性もある。ネックレスを行う際は、これら弊害について熟考した上で行うことを推奨する。
デュラハン[編集]
ネックレスに傾倒した幽霊達は俗にデュラハンと呼ばれるようになった。デュラハンの多くは、騎士のコスプレをしている。これには理由がある。彼らは生前、顔がブサイク、疱瘡が多い、ハゲなど、顔にコンプレックスを抱えた人間であったため、死後首を切断するというネックレスを行った。しかし、ブサイクだから顔を切断したと周囲に言うのは恥ずかしい。そこで、騎士の格好をして、生前、自分は騎士であり、戦いの中戦死して、敵に首級を奪われた。それゆえ、自分は首のない亡霊になったのだと周囲に吹聴するのである。
新種誕生[編集]
生命を持たざる者の特権であるとみなされてきたネックレスであるが、その定義を覆す新生物の存在が近年明らかになった。生けるネックレス、その名もマツコ・デラックスである。一見してアザラシ科ゾウアザラシ属と判断してしまいそうになるが、実はこの生物、我々と同じヒト科ヒト属である。さらに驚くべきことに人語を操ることに関してはある意味、並以上の能力を持ち、毎日のように各種メディアを介して民衆を扇動している。近い将来、幽霊だけでなく人類全体の脅威となることが懸念され、その生態の研究が日々進められている。数多くの信じがたい事実がこれまでに判明したが、中でも、外見に反してその性別がオスであったことは、研究者たちに大きなショックをもたらし、大衆を最も喜ばせた。「彼」が生きながら見事なまでにネックレスである大きな理由として体脂肪の豊富さが挙げられ、似た特徴を有する人々、日本においては特定のスポーツにおけるプロフェッショナルが、第二第三のマツコとなる素質を秘めているとされる。