デスクリムゾン
デスクリムゾン(Death Crimson)とは、人生の大事な分かれ道の選択を「せっかくだから」というふざけた理由で選んでしまったために、数多の魔物達との死闘を繰り広げる羽目になった悲劇の医者コンバット越前の奮闘を追う実験戦闘記のことである。
概要[編集]
それは29年前の事であった……
デス様ことデスクリムゾンは、エコールソフトウェアが1996年8月9日にセガサターンで発売してしまったガンシューティングゲームらしきもののことであり、その出来の素晴らしさは「よくこんなものを世の中に出したよな」と高く評価されている。
クソゲーとしての知名度が半端なく、伝説のクソゲー、愛すべきクソゲーとも言われるなど、そのレベルは帝王の座にまで登り詰めている。寧ろ制作側の意図を考えるのがこのゲームの特徴といっても良い。だが、未だ誰1人として正しい答えを導き出せたものはいない。
そのクソゲー的内容は、かの有名な生真面目百科事典であるウィキペディアにさえユーモアを持ち込んだくらいである。ウィキペディアにて笑える記述があるということは、アンサイクロペディアで頭が固いと言われ続けたウィキペディアン達の頭をほぐすという、大変貴重な貢献をしたと言うべきである。いや、詳しくはウィキペディアを読んでもよい。だって記事そのものがユーモアなんだし。
また、クソゲーにも関わらず、後年のアフターマーケット取引価格は定価前後のプレミア価格がついていたり、どういう訳か続編の発売までされている。デスクリムゾンがそんじょそこらのクソゲーとは格が違うということを表しているのかもしれない。
シナリオ[編集]
肝心のこのゲームのシナリオだが、それはプレイヤーにも動画の視聴者にも分からない。オープニングでナレーターの解説が始まるのだが、このストーリーの内容は全くと言っていいほど掴むことができない。しかも、初心者にとって欠かせないものである取扱説明書が一応このゲームにもあるが、内容は日本語で書かれているにもかかわらず何を言っているかさっぱり分からない。ストーリー紹介の項目にしても、肝心な部分が割愛されていたりしている。
ヨーロッパを覆う謎の伝染病「KOT症候群」に対し、主人公の越前がかつての記憶と通じるものを感じ、26年前に手に入れた謎の武器「クリムゾン」を手に戦うというシナリオなのだが、そんな設定はオープニングからは全く読みとれない。取扱説明書にも「KOT症候群」という用語は出ているが、肝心のKOT症候群についての説明が描かれていない。しかも、ゲームをクリアしたところで肝心のKOT症候群のことについては触れられなかった。そもそもKOTが何の略かさえ今のところ不明である。これはプレイヤーの想像力にお任せという、投げやりな要素1人1人が色々な考察をして楽しむ要素として取りあげられている。いやむしろ既にプレーヤーが感染してるのかも。
そして、KOT症候群にどんな因果関係があるかも不明なまま、越前はサロニカの街を訪れる。ここから魔物達との死闘が始まり、ゲームプレイが始まるのである。なぜこの街が魔物の巣になっているのかは、取扱説明書にすら説明が書かれておらず察することすらできない。
クソゲーの概念[編集]
そもそもクソゲーとは、どのようなゲームのことを指すのだろうか。それを一通り挙げてみたい。
- ゲームバランスの悪さ
- 誰が見ても意味不明な内容
- 映像や音楽、ゲーム本編の要領がプア
- バグが多く、最悪の場合にはゲーム続行不能になる
簡単に挙げるとこんな感じである。もちろん「伝説のクソゲー」と言われるだけのデスクリムゾンだからほとんどの内容がこれに当てはまっている。
後述でも詳しく挙げるが、このゲームは何よりも操作性が酷い。ガンシューティングゲームというのは敵に焦点を合わせて銃を打ち、敵を倒すというものである。だが、ガンシューティングゲームにとって命とも言えるこの焦点が、どういう訳か必ずズレるという致命的な問題点が存在する。加えてダメージを受けた後の無敵時間が無いなどで、油断してるとすぐにゲームオーバーになってしまう。まさにクソゲーであるといえるであろう。
ところがこのゲーム、操作性こそ酷いが、ゲームの進行状況に悪影響を与えるバグは一切無く、一応ゲームはちゃんとクリアまで進むことが出来るのである。つまり、確かにクソゲーかもしれないが、実際はデスクリムゾンというゲームは非常に難易度の高いゲームであると言えるのである。都合の良いように言い換えれば操作性の酷さがゲームの難易度の高さを醸し出しているといういうことになる。プレイしてクソゲーだクソゲーだ文句言う奴らは、この難易度の高いゲームがクリアできない悔しさを、操作性の悪さのせいにしているだけなのかもしれない。
ゲームの特徴[編集]
此処ではゲームの優れた欠点利点を少しずつ紹介していく。主人公コンバット越前に関する欠点利点は後述。
- メーカーロゴ
- 言い忘れていたがこのゲームは18歳未満の方には有害なシーンがオープニングに含まれているのである。そのシーンとは「血塗られた背景に不気味なデスマスクのようにも見える仮面が二枚浮かんでいる」というもの。曲の特徴もあってか、そのシーンは誰が見ても怖いと評されている。
- しかもこのシーンはスキップが出来ないだけでなく、ゲームオーバーになってタイトル画面に戻されるたび毎回見させられるという。プレイするたびに見せられるうえに、非常に死に易いゲームなので、はっきり言ってしまえば子供マジ泣きである。ただしこれを見続けた猛者共は、やがて精神力の強い大人になっていくという希望が持たれている。
- ガンシューティングゲームなのに焦点が合わない
- ゲーム中最高の欠点、もとい利点。これは先程も話した通り、あえて焦点をずらすことでゲームの難易度を高くしているのであって、決して制作側のミスではない。いくらスタッフ不足とはいえ、こんな致命的なミスを犯すはずがない[要出典]。
- オプションに焦点を合わせる機能があるが、それで本当に焦点があったのか確認できない
- 試しに1発撃っただけで照準調整画面が終了してしまうので、焦点が合ったのかが分からないのである。しかも頑張って焦点を合わせたはずにも関わらず結局焦点がずれてしまう。
- これは心の眼で敵を見て相手を倒せという、いわゆる心眼を鍛える効果がもたらされている可能性が考えられる。あるいは単に銃の弾を無駄にしてはいけないというエコ化のためにやむを得ずそうしている可能性もある。
- 充実したオプション
- 通常オプションでは音量の変更を始めとする細かな設定変更が出来る。だが、このゲームのオプションはステレオとモノラルの変更以外何もない。実に充実したオプションである。
- 建物が何もかもが歪んでいる
- ちなみに開発元はCAD制作会社、つまりコンピューターを使い、建物などの設計を支援するプログラムにも拘らず建物が歪んでいるのである。
- これは本作のラスボス「デスビスノス」の存在により、世界が歪み、絶望の危機に陥っているという緊張感溢れる状況を表しているのである。建物が歪んでいるのもその異変の一つに過ぎないということだ。
と苦しい解釈をしたところで手抜きであるとしか言いようがないが。
- 強敵「佐藤」の存在
- ガンシューティングゲームは敵と一緒に「民間人」が出てくる。この民間人を間違って撃ってしまうと体力が減るなどのマイナス効果が発生するので、敵味方を見極めつつ銃を撃つのがゲームのプレイの仕方である。
- デスクリムゾンにも一応その「民間人」に相当する人物が出てくる。だがその民間人、どいつもこいつも同じ顔をした白い服を着た男オンリーという
手抜き省エネっぷりをしている。この民間人のことを、クリムゾンをクリアした猛者共は「佐藤」と呼んでいる。ヨーロッパ付近が舞台なのになぜ日本人名なのだろうか? - もちろん彼を撃つとダメージを受けてしまうので、彼を撃たないように気をつけなければいけないのだが……実はこの佐藤がかなりの曲者である。何せこいつ、突然滑り込んで現れたり、突然空中に現れたりするのである。まるで「俺を撃ってくれ」と言わんばかりの行動ゆえに、単なるザコキャラよりも非常にタチが悪いのである。
- こいつを撃つと「大野!」と日本人と思われる名を叫んで絶命する。撃った奴はくどいようだが「越前」と言う名前だし、一体誰なんだろう?
- これにより、ただでさえ
クソゲーなものが更にクソゲーに難易度の高いゲームがさらに難易度の高いゲームになっていったのである。
- 敵にしかみえないムササビを撃つとなぜかダメージを受ける
- 宙を舞うムササビを撃つとダメージを受けるといったことは、なぜなのかも含めて取扱説明書には一切書かれていない。説明が無いためにムササビは立派な初心者殺しと化しているのである。そのため、このムササビもザコ敵よりタチが悪い。
- これもまた、ただでさえ
クソゲーなものが更にクソゲーに難易度の高いゲームがさらに難易度の高いゲームになる要素の1つとなっている。
- ダメージを受けた後の無敵時間が無い
- 通常のゲームでは、敵の攻撃を受けてしまった直後の一定時間は、多少の無敵時間が設定されている。だが、このゲームにはそんな点は全くないため、敵からの集中攻撃を受けてしまえば一気に絶望的状況に、最悪の場合はゲームオーバーになってしまう(しかも最初の不気味なメーカーロゴにまで飛ばされてしまう)。ちなみに補足するとプレイヤーのライフは3つなので、3連続で攻撃を受ければそれでもうお陀仏である。更に補足すると、このゲームにはコンティニュー機能すらない。
- まぁリアルな世界での死闘ではそんな無敵時間なんてものは存在しないため、非常に現実的な設定であるとはいえる。
このゲームほど理不尽な作品もないと思うが。 - これもまた、ただでさえ
クソゲーなものが更に(ry
コンバット越前[編集]
概要[編集]
デスクリムゾンを語るうえでは絶対に外せない存在、それがこのゲームの主人公のコンバット越前である。元傭兵であり、現在は医者という異様な経緯を辿る29歳の青年。戦友のダニー、グレッグと共に戦場にて「クリムゾン」なる手羽先にしか見えない拳銃を手にしてしまい、それにより襲い来る魔物達との死闘に巻き込まれることになってしまう。
性格は「抑えてはいるが、冒険心旺盛な一匹狼。正義感・勇気とも平均以上だが、カッとしやすいところもあり、計画的人生より行き当たりばったりの人生を選んでしまうタイプ。女性の扱いは苦手」だそうだが、本編でこの設定はほとんど活かされていない。それ以前に非常にどうでもいい設定と言える。
コンバット越前というのはコードネームであり、本名は越前康介という。コードネームに何故か本名が含まれており、戦友たちも彼のことを「越前」と呼んでいることから、まるでコードネームの意味を成していない。この突っ込みしかない特徴は、単純にふざけている訳ではなく、我々に「コードネームというのがいかに大切なものであるか」を教えてくれる重要な役割を担っているのである。
名言もとい迷言[編集]
戦闘中のボイスにもある「やりやがったな!」を始めとする無駄に甲高い声で叫ぶ越前だが、他にももっと凄い名言が存在する。その3つをここで紹介しておく。
- 上から来るぞ!気をつけろ!
- そう叫んでおきながらなぜか階段を上に登って行く越前。上は危険だけど、行かなくてはならない。そんな越前の勇気溢れる行動を讃えた名言である
(笑)。
- なんだこの階段はぁ!
- 普通の下り階段である。戦場に階段があって何が悪いと突っ込みたくなるし、しかもこう叫んでいる最中に既に階段を下りている。まるで訳が分からないが、実はこの時越前の身に「階段を上っていたかと思えばいつの間にか降りていた」という不可解な現象が発生していたのである。しかしプレイヤーを始めとする全員がそれに気付かなかったために、誰もこの台詞の真相に辿りつくことが出来なかったのである。
- せっかくだから俺はこの赤の扉を選ぶぜ!
- 目の前にある黒い扉に向かって叫んだ最強の迷台詞。一体何がどうあって「せっかくだから」という理由で選んだのかが全く分からない。しかもこの扉を選んでしまったために、越前は様々な死闘に巻き込まれることになるのであった。
- 一体この台詞はどういう意味なのだろうか。一部の解釈では、扉のある部屋が暗くてプレイヤーには赤に見えなかった、あるいは扉の上についてる赤い宝石のことを指して「赤の扉」というものがあるが、どちらもしっくりとは来ない。はっきりと黒い扉と言えばいいことだし。
- 実はこの越前の発言は、閉ざされた扉を開ける呪文「開け、ゴマ!」の応用なのである。越前がこう叫ぶことによって、封印された扉が開かれて、中に入ることが出来たというのが真相なのである。
- だが、結局のところ「せっかくだから」といういい加減な理由でこの扉を選んだことに変わりはない。越前の紹介にある「計画的人生より行き当たりばったりの人生を選んでしまうタイプ」とはこの行動のことを指しているのだろう。
戦闘スタイル[編集]
物語本編ではクリムゾンを使用した射撃の腕前の悪さというか焦点の合わなさを披露している。どういう目的で動いているのかは全く分からないが、戦場の舞台ではやたらと回り道ばかりして、プレイヤーをいらだたせている。これは恐らく、敵をせん滅させて周りの人間に危害を加えないためであると言える。また、越前は骨盤の状態が悪いのか、左右の足の長さが違っているという身体障害の持ち主なために、単純にまっすぐに歩くことができない、というのも考えられる。
また、越前は戦闘中、時々明らかに空を飛んでいるとしか言えない動きをする。また、最終ステージの宇宙空間でなぜか転げまわる。後者はともかく前者は明らかに人間離れしている。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 映画化決定 - デスクリムゾン制作中の会社の激戦を描いております。